2015年秋には「おとなのための教養カフェ」にて第3回の講師を務めさせていただきました。テーマは「自分の軸・根っこをみつける」~禅・東洋思想をベースにして~。
10歳の頃に、祖父の書いた本(※『人生随想』)に引き込まれて以来、東洋思想に魅かれ学びを続けてきました。19歳からは禅寺へ通い坐禅を学び、31歳で思想哲学を学ぶために大学へ編入、その後15年間僧侶の方から毎月慈雲尊者・道元・般若心経・・・と少人数の講座で豊かな学びのときをいただいたのですが、こと自分自身が講師を務めるとなると話は別、まったくもって恐れ多いことーご依頼を引き受けたのはいいのですが、それから当日までは夜もゆっくりと寝られない日々でした。

今回のテーマ〈自分の軸・根っこをみつける〉ということで、まずは私自身の根っこを育んでくれた言葉たちを朗読してスタートすることにしました。
「自己の根源は 一切の人間の故郷である。そこに帰れば 一切の人間の苦楽損得というような 浅い関心が破れて 自己の根源の願に生きることができる。現代は まさしく 人間と根源との対話が必要である。」
「人間は 自我の悲しみにおいて 自己に帰るのであろう。」
「生かそう 生かそうと 大きな力が自分に働いていることを悟る心である。」
「真剣にこの人生を生きるならば ほんとうにあるものは現在(いま)だけである。」『人生随想』より抜粋
その他にも、高校時代に夢中になって読んだ『徒然草』や、10代後半から親しんで学んできた道元などなど・・・

その後、仏教の「一水四見」の話(同じ一つの‘水’を見ても、天人には瓔珞・瑠璃・水晶に見え、人間には水に見え、魚には宮殿、住処と見え、餓鬼には濃血に見える)といった話や、自己を超えた永劫のいのちの話などを引用して紹介しました。一つ一つの話を、ただ紹介するだけではなく、もっと自分のものとしてお伝えすることができる境地にならなくては・・・と感じたものの、このような機会を与えていただけたご縁に、ただただ感謝しつつ、後半は私の日頃の活動を活かした「自己の軸・根っこをみつけるインタビューワーク」を実践していただきました。眠れぬ日々の中で、ようやく東洋思想(日本生まれの「感性論哲学」)をもとにしたこのワークが誕生し、さあ、いよいよ実践!となり、結果、多くの方々から喜びの声を頂けて、「苦しんで見出した甲斐があった・・・」とほっと一安心でした。終了後は、懇親会にも参加させていただき、おいしい焼き鳥と共にいつまでも話の尽きぬ楽しいひとときを過ごさせていただきました。感謝

以下は、主催してくださった株式会社メタノイア様の記事からの引用です。広報・会場設定・資料印刷・受付などとても細やかにご準備頂きました。また、記事を書いていただきましたこと感謝いたします。
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第3回「大人のための教養カフェ」は月野直美( Naomi Tsukino )さんがご担当くださいました。
備忘として、個人的に印象に残ったところを中心に。。。

◎前半は、ご自身の半生のご紹介
 何を大切にして生きるのかを問われているように感じました。
 ご紹介いただいた「人生随想」(月野貢著)がとても深い!
 
◎「道元断章」(中野孝次)
・「その瞬間瞬間、死んで新たに生まれている」ことを、手に持つ花火やろうそく(常に蝋の異なる部分が燃えているが、炎は同じように見えていること)などを例にわかりやすく説明してくださいました。
・同じモノを見てもみる人によって見え方が異なることを、仏教の「一水四見」という言葉で説明いただきました。認識論やメンタルモデルにもつながるように感じました。
 
◎感性論哲学
 求感性⇔感受性、「天分」や理性の限界、「異」和感の活用など、ハッとさせられる内容が散りばめられていました。
 プロセスワークの「エッセンス」に通じるものを感じましたし、ボディワークにもつながる感じがします。
 また、紹介いただいた「自己発見カード」は、日常生活の中で使えるので、是非取り組んでみたいものです。
 思いついたら書く&Why:たくさん書き溜めて整理する→共通項が浮かび上がってくる→自分の軸・根っこにつながる
 
・アリストテレスの幸福論に触れながら「人の幸福は状態ではない。本来の天分を活かし切って活動している中にある」
 
◎ペアワーク「自分の軸・根っこを見つける」インタビュー
 語ることによって、自分の中の深いところにある感覚にアクセスしているような感じでした。聴いてくださる方がいらっしゃるので、とてもスムーズに自分の中にあるものが出てきた感じがします。
 
・「百尺竿頭、更進一歩」によって、自己が自己に落ち着く
 
今回のためのオリジナルの内容で構成してくださったようで、準備に随分とご負担を掛けてしまいましたm(__)m
 
哲学や仏教の言葉がたくさん引用されているにもかかわらず、まったく難しさを感じないお話にとても引き込まれました。
 
温かで柔らかい雰囲気の中、あっという間の2時間、心に響いてくるとてもいい時間でした(^^)